太山寺にいってみた

神戸市西区にある太山寺。ここの本堂は神戸市で唯一の国宝に指定されており、一見の価値ありです。 ですが、どうにも旅行者には行きづらく、電車とバスで行く、太山寺ショートトリップをご紹介します。(所要時間:神戸三宮から約3時間)

太山寺

太山寺は奈良時代に創建された、天台宗の寺院です。藤原宇合(藤原鎌足の孫、藤原不比等の子)の建立といわれており、その後元正天皇(天武天皇・持統天皇の孫、聖武天皇の伯母)の勅願寺に指定され、広く信仰を集めたとされています。

太山寺の公式ホームページ

地下鉄とバスで太山寺へ

太山寺の最寄り駅は神戸市営地下鉄の学園都市駅または伊川谷駅です。どちらにしても駅からはかなり離れているので、伊川谷駅でバスに乗り換えてより近くまで目指します。地下鉄三宮から西神中央方面へ約25分電車に揺られます。

伊川谷駅の改札を出たら、右手にバスのロータリーがあります。バスの本数は多くはありませんが、14系統 太山寺小学校経由学園都市行きのバスに乗ります。同じルートを反対方向に進む明石駅行も同じ14系統で乗り場は異なりますが同じロータリーに停車しますので、注意してください。

伊川谷駅改札付近
伊川谷駅ロータリー

バスは太山寺小学校前で下車します。残念ながらここから太山寺は見えません。ここから10分ほど歩きます。

バスは川沿いの道を走ります
太山寺小学校前バス停

バスは川(伊川)沿いを走り、右に曲がったところの停留所(太山寺小学校前)で下車しましたが、曲がった角まで戻ります。そしてそのまま川沿いの道を上流に向かって歩きます。歩道は広いのですが、割と雑草なんかも多くて、ところどころ雑草を踏みながら歩いていきます。

太山寺に向かう道
アスファルトの割れ目から雑草が高く伸びている

やがて、太山寺温泉の看板が見えてきます。太山寺温泉は太山寺のすぐ近くですが、ここは帰りに立ち寄るとして更に少し進みます。左手に伊川谷の散策マップの看板が見えてきたら、その右手が太山寺の入口です。横断歩道をわたって、お寺に向かいます。

道路上にある散策マップ
横断歩道を渡ったらお寺の山門

太山寺の中へ

太山寺の入口にはお寺のような山門があります。この門は仁王門といい門の中に仁王像が置かれています。
この門をくぐるときちんと整備された石畳の参道があり、途中国指定の名勝 安養院庭園(拝観は期間限定で秋季のみ)などもありますが、5分ほど歩くと途中道が左に折れていますので、そのまま左に曲がると、いよいよ石段と中門が見えてきます。中門を超えたところに受付がありますので、拝観料の支払いをしましょう。また、公式ホームページでは「受付」となっていますが、お守りなどの購入もこちらで可能です。

太山寺仁王門
石畳の参道
石段を中門

なお、参道は白い石畳がまっすぐ伸びており、また5分程度の道のりですので天気が良いと清々しい気分でお寺まで歩けます。ですが、参拝した9月ではまだ暑い、とくにバスを降りてから結構あるいていますし、この参道沿いにカフェがあれば、休憩できるのに...と思っていたら、ありました! 参拝日が土曜日だったので定休日のようでしたが、太山寺珈琲焙煎室というカフェがあります。ここまでなかなか長い道のりでしたので、お寺を見る前にここで一服するのも良さそうです。後で知りましたが、古民家風のお店で焙煎の度合いが異なるこだわりのコーヒーがいただける人気の店だったようです。

太山寺珈琲焙煎室の公式ホームページ

太山寺の拝観

拝観料(2024年9月現在300円)を支払ったら、更に中に進めます。入ってすぐ右手に三重塔があります。

この三重塔は江戸時代の創建で、朱色の壮大な建物は瓦などからその歴史が感じられ、県の指定文化財にも指定されています。瓦の四隅には鬼瓦が配置されていて、また、各層屋根の下には邪鬼が置かれています。

三重塔の鬼瓦と邪鬼

邪鬼はよく四天王像に踏まれた姿で登場しますが、柱を支えているタイプは、奈良の法隆寺が有名です。いずれのタイプも邪鬼が反省して柱を支え、建物を護るということで置かれていますが、お寺によってその表情が全く異なるので、ぜひ色々なお寺で見てみてください。また、この邪鬼は物理的に建物の構造を支えてもいるそうです。
同じように各隅に鬼瓦も安置されており、鉄壁の護りです。

この三重塔、残念ながら中には入れませんが、大日如来坐像 及び四天王立像が安置されており、入口から中の様子を見ることができます。

奥の院へ

三重塔を左手に回ると「奥の院」と書かれた看板があり、さらに奥に進むことができます。

奥の院への入口。ジブリの世界への入口のようです

木々の間を抜けて中に入っていくと、赤い橋が見えてきました。これを渡ってさらに鳥居をくぐると神社と地蔵堂があります。地蔵堂には等身大の磨崖仏(不動明王像)が彫られているのですが、暗くてあまりよくは見えませんでした。

さらに奥へとつづく
鳥居をくぐります
奥の院の最奥

本堂でお参り

国宝 本堂

国宝の本堂は鎌倉時代に建てられたものだそうです。中に入ってみると、たくさんの人が一度にお参りできるだけの広さがあります。私がお参りしたときは他に一組しか中に居らず、とても静かにお参りすることができましたが、本堂が建てられた鎌倉時代には貴族や武士だけでなく、たくさんの人がお参りをしていたのかもしれません。

最後に温泉に浸かる

太山寺へのお参りのあと、よければその隣にある太山寺温泉 なでしこの湯にも立ち寄ってみてください。ここまで歩いてきた疲れを癒して、のんびりくつろぐことができます。仁王門を出て、歩いてきた道のすぐ手前にあった看板のところです。

なでしこの湯の看板

また、太山寺の参道からもなでしこの湯への抜け道があり、先にご紹介したカフェの手前(お寺側)を左手に曲がると見えてきます。(おそらく100mくらい近くなるだけですが。。。)

なでしこの湯はサウナもある天然ラジウム温泉で、日帰り入力ができる他、1000円未満から食事ができる食事処やコワーキングスペース、地元の名物が買える売店や酸素ボックスもあり、丸一日ゆっくりくつろげます。基本の入湯料金は780円ですが、私たちはタオルとドリンクバー、コワーキングスペース兼休憩処も使えるセットプランを利用しました。

コワーキングスペースと休憩処。Wifiも完備です。
ひとをだめにする感じのクッションとハンモック、穴倉もあります
利用したプラン

ちなみに、休憩処で散々漫画を読み、ドリンクもしっかり飲み、昼食もしっかり食べて帰りました。

さらに、なでしこの湯からは、30分おきに神戸市営地下鉄 学園都市駅までの無料シャトルバスがあります。これを利用してさらに快適に帰路につくことができました。

無料シャトルバス

太山寺温泉なでしこの湯の公式ホームページ