AIに回路設計させてみた

AIで回路設計やアートワーク設計ができるのか試してみたので共有します。本記事は2026年8月初旬の情報で、使用するツールは以下のとおりです。
・EasyEDA Pro:回路のCADツールです。
・Claude Code :紹介不要のAIですね。現時点でGeminiよりもプログラミング能力が優れるといわれます。(Geminiも同意)プログラムの他FPGAのコードや回路の設計も得意なようです。
・Gemini:これも紹介不要のAIですね。やりたいことを伝えClaudeにどんなプロンプトを与えるのが良いか相談に乗ってもらいます。Claude Codeに相談するとあっという間に一日の許容トークン数に達して作業が止まってしまうのもGeminiも使う理由です。
試した内容を順番に説明する前に、この開発手法や登場人物を説明します。

この開発手法の特徴
「EasyEDA Pro × Claude」による回路設計は、AnthropicのAI「Claude(主にClaude CodeやMCP: Model Context Protocol機能)」と、クラウド型電子回路CAD「EasyEDA Pro」を連携させ、自然言語による対話だけで電子回路の設計・検証・自動操作を行う最先端のハードウェア設計手法です。これまで人間が手作業で行っていた部品検索、ピンの結線、ルールチェック(DRC)などの泥臭いCAD操作を、AIにエージェントとして代行させる点において革新的です。

全体像:どのような仕組みで動くのか?
この設計手法は、主に以下の3つのレイヤーで構成されています。
1.AIインターフェース(Claude / Claude Code)
ユーザーから「ESP32とSHT31(温湿度センサー)を使ったI2C通信回路と電源ICを配置して」といった高レベルな指示を受け取り、必要な回路ロジックや接続関係を思考・生成します。

2.連携ブリッジ(MCP サーバー / API)
ClaudeとCADソフトの仲介役です。Claudeからの指示をEasyEDA Proが理解できるコマンド(スクリプトや操作命令)に翻訳し、EasyEDAの動作をリアルタイム制御します。

3.EasyEDA Pro & 製造エコシステム(JLCPCB / LCSC)
指示に基づいて実際の回路図データやPCB(プリント基板)レイアウトを描画・更新します。背景には世界最大級の電子部品データベース「LCSC」や、基板製造サービス「JLCPCB」が直結しています。

どこが革新的なのか?(4つのイノベーション)
1.「画面をポチポチ操作する」CADから「言葉で命じる」CADへ
従来の回路設計では、データシートを見ながら部品を探し、ピン番号を確認し、CAD上でワイヤーを1本ずつ引っ張る作業が必要でした。Claudeを活用すると、データシートの読解からピンアサイン、初期の結線処理までをAIが数秒で生成・実行します。人間はUIを連続クリックする手作業から解放され、「どんな機能の回路を作りたいか」という高次の設計思考に集中できます。
2. MCP(Model Context Protocol)によるダイレクトなCAD操作
従来のAI支援は「AIに回路図のコードや解説を出力させ、人間がそれを手動でCADに写す」というものでした。しかしこの手法では、MCP等のブリッジを介してClaudeが起動中のEasyEDA Proを直接制御します。プロジェクト作成、部品配置、デザインルールチェック(DRC)の実行、エラーの自動修正までをAI自身が自律的に行います。
3. 「実在する部品データベース(LCSC)」とのリアルタイム同期
AIに回路を作らせる際の問題として「存在しない架空の部品ピンアサインを捏造する(ハルシネーション)」という点があります。EasyEDA Pro連携では、LCSC(部品通販サイト)の正確なピンマップや型番・在庫データをリアルタイムで参照するため、「実際に買って基板に実装できる部品」だけを使った現実的な回路図が正確に組み上がります。
4. 試作・製造(JLCPCB)までの超高速ループ
EasyEDA Proはワンクリックで「JLCPCB(基板製造・部品実装サービス)」に発注できる強みを持っています。Claudeで設計・DRC(エラーチェック)・自動配線(オートルート)までを自動化することで、「アイデア発案」から「基板製造の発注」までの時間を数日・数週間単位からわずか数分〜数時間へと劇的に短縮します。

まとめ
「EasyEDA Pro × Claude」は、単なる「便利なテキスト生成AI」の枠を超え、AIがCADツールを直接操作して物理的な電子基板を作り上げるハードウェア開発の自動化プラットフォームです。回路設計の専門知識が少ない初心者にとっては「ハードウェア開発の参入障壁を劇的に下げるツール」になり、熟練のエンジニアにとっては「ルーティンワークを全自動化する最強のAIアシスタント」になる点に、大きな革新性があります。

登場人物の関係性を図示する
文章で言われてもピンと来ないですよね。ツールの関係性を概観することで理解しやすくなります。(Geminiは必須ではありません。筆者の都合です。)


各コンポーネントの役割分担
1.Claude / AI Agent (Skill Tool)
役割: 頭脳(命令の生成と状況判断)
ユーザーからの「この回路に抵抗を追加して」「基板の配線ルールを取得して」といった自然言語の指示を解釈します。
指示に基づき、EasyEDAを操作するための具体的なAPIコール(あるいはJSONフォーマットのコマンド)を組み立てます。
Bridge Serverからのレスポンス(実行結果やエラー)を受け取って、次のアクションを判断します。
人間は、ClaudeのClaude ChatタブとClaude Codeタブを操作しながら、それぞれとコミュニケーションを行います。筆者の場合は更にGeminiとコミュニケーションしました。

2.Bridge Server (Node.js)
役割: 仲介者・プロトコル変換器(通信のハブ)
なぜ必要か: Claude(AI側)とEasyEDA Pro(CAD側)は直接通信できないため、間を取り持つ常駐サーバー(ローカルホストで動作)として機能します。
Claude側からのリクエスト(HTTPやWebSocket)を受け取り、それをEasyEDA拡張機能が理解できるWebSocketメッセージに変換・転送します。
複数の通信セッションの同期をとったり、ポート範囲(49620〜49629)をスキャンして空きポートを自動割り当て・管理する役割も担います。

3.拡張機能 / Extension (EasyEDA Pro 側)
役割: 手足(CAD内での実際の操作実行)
EasyEDA Proの内部API(JavaScript API)にアクセスできる唯一のコンポーネントです。
Bridge ServerからWebSocket経由で届いたコマンドを受け取り、「回路図の描画」「部品の配置」「ネットリストの抽出」といった実際のCAD操作を実行します。
操作完了後、その結果(成功・失敗、取得した回路情報など)をBridge Serverへ送り返します。

そんなに楽ちんになるのか
いきなり感想ですが、実は、Claude Chat と Claude Code の間の橋渡しは人間が細かくやる必要があります。Claude Chat の指示を与えると、 Claude Codeに対するコマンドが返ってくるので、それをClaude Codeにインプットし、返された情報をClaude ChatへFBします。この作業を通じて間違った指示が飛んでいないか、確認漏れが無いか人間がレビューすることになります。アートワーク設計の場面では、人間の目やスキルに基づく指摘が不可欠でした。しかし、このあたりの自動化や高精度かはあっという間に進化して、人間のやることは更に減るでしょうね。

0. セットアップ
さて、必要なツールのインストールをやっていきましょう。

0-1. Node.jsをインストール
https://nodejs.org/ja
Node.jsをまだ導入していない場合、公式ページからPC環境に応じた推奨版をダウンロドしてインストールします。
既にインストールされている場合は、PowerShellなどのShellソフトから、node -v を入力してバージョン番号が表示されればインストール済みで、エラーになればインストールされていないことがわかる。

0-2 ワーキングディレクトリを作成
どこでも良いので作業フォルダを作成します。(例:C:\Users\honyahonya\workspace\EasyEDA)

0-3 EasyEDA Pro(デスクトップ版)のインストールと初期設定
アカウント作成: EasyEDA 公式サイト でアカウントを作成しておきます(デスクトップ版の初回アクティベーションに必須)。
1.クライアントのダウンロードとインストール:
公式サイトから EasyEDA Pro のデスクトップ用クライアントをダウンロードしてインストールします。
2.アクティベーション:
初回起動時に「Activate Desktop Client」という画面が出ます。 画面内のリンクからブラウザでログインし、認証ライセンス(lceda-pro-activation.txt)を取得する。このファイルの中身がアクティベーションデータであり、ブラウザ上で表示されるので、データを全コピーして、アクティベーションデータを求めるダイアログに貼り付けてアクティベーションボタンを押す。
<注意> ブラウザの自動翻訳機能を有効にしていると、このアクティベーションデータが勝手に異なる文字に変更されるので、この手の作業をするときは事前に自動翻訳機能をOFFにする。
動作モードの初期設定: 動作モードを選択する画面では、「Half offline」 を選択します。※Full offline にするとLCSCの豊富な部品ライブラリ参照機能が使えなくなります。

0-4 EasyEDA 側の拡張機能 (API Gateway) のセットアップ
AIツールとWebSocketで連携するための公式拡張機能を組み込みます。
拡張機能のダウンロード:
EasyEDAの拡張機能配布ページ等から Run API Gateway の拡張機能ファイル(.eext)をダウンロードします。


EasyEDA Pro へのインストール: EasyEDA Pro の上部メニューから 「高度な機能 (Advanced)」→「拡張機能マネージャー (Extensions Manager)」 を開きます。
ダウンロードした .eext ファイルを選択してインストールします。
外部連携の許可(重要)(この下の”拡張機能の設定”に示す図を参考にしてください。):
「Extensions Manager」の「Installed」タブから Run API Gateway を選択します。 以下の2点に必ずチェックを入れます。
・Allow external interaction(外部との連携を許可)
・Show in top menu(トップメニューに表示)
設定後、EasyEDA Pro を完全に再起動します。トップメニューに API Gateway が追加されていれば成功です。 ここで、EasyEDAを終了しておきます。

拡張機能の設定


Config 他部に移動


0-5 ローカルPC上の作成したフォルダに移動して環境をダウンロード
Power Shell で、作業フォルダに移動し、コマンドを実行します。
git clone https://github.com/easyeda/easyeda-api-skill.git
すると、以下のように環境のダウンロードが進みます。
Cloning into 'easyeda-api-skill'…
remote: Enumerating objects: 449, done.
remote: Counting objects: 100% (449/449), done.
remote: Compressing objects: 100% (267/267), done.

Receiving objects: 100% (449/449), 380.13 KiB | 3.39 MiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (186/186), done.

作業フォルダの中に、easyeda-api-skill というフォルダが作成されます。この中身は次のようになっています。
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
d----- 2026/07/26 14:40 format
d----- 2026/07/26 14:40 guide
d----- 2026/07/26 14:40 references
d----- 2026/07/26 14:40 scripts
d----- 2026/07/26 14:40 user-guide
-a---- 2026/07/26 14:40 2031 package-lock.json
-a---- 2026/07/26 14:40 273 package.json
-a---- 2026/07/26 14:40 4930 README.md
-a---- 2026/07/26 14:40 4588 README.zh-Hans.md
-a---- 2026/07/26 14:40 32292 SKILL.md
上記のようになっていなければ、環境導入が失敗している。easyeda-api-skillを削除してやり直します。
中身が不完全な easyeda-api-skill フォルダを削除するコマンド:Remove-Item -Recurse -Force easyeda-api-skill

0-6  依存関係のインストール
Power Shell で、easyeda-api-skillフォルダに移動して、npm install を実行します。実行すると以下のように進みます。
added 1 package, and audited 2 packages in 970ms
1 high severity vulnerability
To address all issues, run:
npm audit fix
Run npm audit for details.
ここで、「1 high severity vulnerability」というメッセージがありますが、これは npm が提示するセキュリティの警告(提案)です。今回のようなローカル環境で動かす AI 連携ブリッジツールでは全く問題ありませんので、無視して(npm audit fix などを実行せずに)そのまま進めて大丈夫です。

0-7 ドキュメントのビルド
Power Shell で、easyeda-api-skillフォルダに移動して、node scripts/build-docs.js を実行します。

1.サーバーの起動
Power Shell で、easyeda-api-skillフォルダに移動して、node scripts/server.js を実行すると以下のようにサーバーが起動し、EasyEDAと接続待ちになります。サーバーの動作を終了させるときは、Ctrl+Cを実行すれば良いです。EasyEDAをClaudeを使って操作する時はPowershellをこのままの状態=サーバー起動状態 にしておきます。


2.EasyEDAの起動
EasyEDAの起動を起動すると、自動的に上記サーバーに接続にいきます。成功するとアプリ上部に以下のメッセージが表示されます。

接続が成功すると、Powershellの方ではこんな感じになっています。Pingが定期的に飛んでいる。



3.プロジェクト作成
新しいプロジェクトを作成します。回路図のサイズ(A4とかA3)は手動で指定しておくのが良いでしょう。これでClaudeからの指示待ちの状態になります。

4.Claude Codeに回路を設計させ、EasyEDAを操作させる。
筆者の場合、Geminiにこの一連の設計フローを伝えるとともに、作りたい海路の仕様を与えて、Claude Code へのプロンプトを作ってもらいました。
それを、Claude CodeのChatタブ(Homeタブの方)に入力します。あとは、Claude CodeのChatタブから、Codeタブへ指示するコマンドが表示されるので、Codeタブへコピーします。
そして、得られた結果をClaude CodeのChatタブにフィードバックしてやります。
つまり、Claude CodeのChatタブと、Codeタブの間のやりとりを人間が介在し、人間のジャッジを加えて伝書鳩的枠割りを人間が行います。

5.出来上がった回路図とアートワーク図をEDAで開いている様子


ベタGND作成と、スティッチング用ビアの作成を終えた後

6.Claudeに与えたプロンプト
回路設計ためののプロンプト:

【役割と制約ルール】
あなたはプロのハードウェア設計エンジニアです。EasyEDA ProのWebSocket Bridgeを介して、指定された仕様の回路図を作成してください。
回路の正確性と作業効率を高めるため、以下の**【絶対遵守ルール】**を守って作業を進めてください。

【絶対遵守ルール】
ネットラベル(Net Name)接続の徹底:
ピン同士を長いWire(線)で直接引き回さないでください。
すべての接続は、各ピンに短いWireを引き出し、適切な**ネットラベル(Net Name)**を付与する方式で行ってください。(例: VBUS, GND, UART_TX, VCCIO など)
これにより、配線の交差による短絡や見た目の混雑を完全に防いでください。

ステップ実行の徹底:
一度に全回路を作成せず、必ず以下の「作業ステップ」に従って1モジュール(1ブロック)ずつ作成・配置してください。
各ステップが完了するごとに作業を一時停止し、私に確認を求めてください。私が「次へ進んでください」と指示するまで次のステップには進まないでください。

ピンアサインの事前提示:
複雑なICを使用する場合は、配置する前に接続予定の「ピン番号と信号名の対応表(テキスト)」を提示してください。

【仕様書】
目的: FT232RL(またはFT232RNL)を使用したUSB-UART変換回路の作成
電源・USB入力部:
USB Type-A コネクタ(VBUS, GND, D+, D-)
VBUS (5V) と GND 間にノイズ対策のパスコン(10uF + 0.1uF)を配置
メインIC部 (FT232RL/RNL):
USB信号(D+, D-)の接続
VCC, VCCIO, RESET, 3V3OUT に適切なパスコン(0.1uF等)を配置
UART電圧切替部 (ジャンパー):
1x3 ピンヘッダーを配置し、VCCIOへの供給電圧を「5V (VBUS)」または「3.3V (3V3OUT)」から選択できるように接続
信号出力部:
ピンヘッダー(TXD, RXD, RTS, CTS, GND, VCCIO)を引き出し
TXD/RXD ラインに動作確認用LED(保護抵抗1kΩ付き)を接続

【作業ステップ】
ステップ1: USB-Type-A入力部および電源保護周りの配置とネットラベル付与
ステップ2: FT232本体周りおよびパスコンの配置とネットラベル付与
ステップ3: VCCIO電圧切替ジャンパー周りの配置とネットラベル付与
ステップ4: 出力ピンヘッダーおよびTX/RX LED周りの配置とネットラベル付与

まずは**【ステップ1】**から作成を開始してください。






アートワークのためのプロンプト(最初):
【PCBアートワーク設計の指示】
現在開いているPCB画面(アクティブウィンドウ)に対して、以下の仕様で基板外形の作成と部品の初期配置を行ってください。

1. 基板外形(Board Outline / Edge.Cuts)の作成:
外形サイズ: 幅 50mm × 高さ 23mm の長方形(Rectangle)を作成してください。
原点(0,0)を基準とし、(0,0) から (50, 23) の範囲に外形線を配置してください。

2. 主要コネクタの配置 (配置制約):
USB-A コネクタ (USB1):
基板の左端(X軸 0mm付近、Y軸 中央 11.5mm 付近)に配置してください。コネクタの差し込み口が基板の外側(左側)を向くように角度(0度または180度)を調整してください。

ピンヘッダー (J2):
基板の右端(X軸 50mm付近、Y軸 中央 11.5mm 付近)に配置してください。

3. 実行手順:
まず「基板外形の作成」と「USB-A・J2の2部品の配置」のみを実行し、完了したら結果を報告してください。(その他の小さな部品の配置や配線は次の指示で行います)

これはうまく行きませんでした。何度もやり直しが発生しました。(やり直しは、こちらで決断して指示します。方針転換をこちらから指示してやらないと、筋が悪い打ち手だと分かってもAIはそれを手放さず悪戦苦闘を続けていました。全体を俯瞰し、先を読みながら適切に方針を示して挙げる必要があります。途中で方針が良くないことに気づけば、早めに軌道修正をしてあげることも大事です。


7.所感
なかなか大変でした。ものすごく優秀だけど欠点がある部下を二名持ち、指示をして間違いを指摘して、問題解決のアイデア与え、一緒に作業を進める体験のようでした。最初に筋の良い方針や指示を与えることに大切さを学びました。マネジメントがしっかり全体を俯瞰し、先を見通して適切なアドバイスをすることが大事だということを体験できました。
現時点でのClaudeを使った回路設計やアートワーク設計は、方針転換や先を見通す計画性は人間の役割だという印象を持ちました。
発注までワンストップで行えるのが、このシステムの特徴ですが、今回は発注まで行っていません。そのため、この基板が正常動作するのかテストしていません。どうしようかな、発注しようかな。。
補足:
1.Claudeは、EasyEDA Proが良いするAPIを予め知っているわけでは無く、使用した感じでは”初見”で、どんなコマンドがあるか、仕様を調べながら実行し、反応を教訓に作業を進めていきます。
2.回路図タブとPDBタブの切り替え、DRCチェックは手動で行う必要がありました。これは改善されていくでしょうね。

8.Claudeとの振り返り
何度もPCB設計のやり直した発生したので、何がやり直しの原因になったかをClaudeと振り返りを行いました。それを以下に示します。Claude の見解です。今後役に立つのではないかと思います。

1.レイヤー戦略を決めずに配線を始めた → 電源系トランクを同じ層に何本も重ねて系統的な短絡が多発
2.検証方法が「ネットの純度」止まりだった → 実際には物理的に交差・近接していても検出できず、何度も後から発覚
3.座標系・ビア移動の方向を都度確認しなかった → Y軸の上下を誤認識したまま複数箇所を逆方向に修正する事故
4.視認性の基準を明示していなかった → 電気的にセーフでも見た目が悪い配線を繰り返し作ってしまい、都度指摘を受けて直す形になった
5.ベタGND・スティッチングビアの計画を後回しにした → 部品配置が固まった後に「そういえばGNDベタも必要だった」と気づき、レイアウトを何度もやり直す原因に

特に効果が大きかったと思う一文

今回、「レイヤー構成・部品配置・配線ゾーニングを先に検討すべき」というご指摘をいただいた後、劇的に混乱が収まりました。もし最初からこの一文(「配線を始める前に、まずゾーニング方針を提案してください」)が入っていれば、電源系トランクの30箇所短絡という大きな手戻りは避けられていた可能性が高いです。

また、**「ベタGND追加を見据えて設計してください」**という前提が最初からあれば、C1〜C5やUSB配線の帯域選定でここまで何度も部品を動かし直す必要はなかったと思います。

これらをテンプレート化しておけば、次回はもっとスムーズに進められるはずです。


9.どんなプロンプトならやり直しの数を減らせたか
Claudeにどんなプロンプトがインプットされていれば良かったか提案してもらいました。

[基板の基本仕様]
- 用途・主要IC・使用電圧・想定電流を明記
- レイヤー数を最初に明言する(例:「2層基板で設計してください。4層化は不要です」)
- 基板サイズが決まっていれば明記

[配線方針を先に指示する]
- 「配線を始める前に、まず部品配置とネットのゾーニング(どのネットがどのエリアを通るか)
   の方針を提案してください。実際の配線はその後に行ってください」
- 「電源系(VCC/GND等)を基板全幅にわたる並行トランクとして重ねて配線しないでください。
   GND以外は局所配線を基本とし、ゾーンごとに整理してください」
- 「配線・ビアは、無関係な部品・パッドから視認性を確保できる十分な距離(目安◯mil)を
   空けてください。電気的にセーフでも見た目が窮屈な配線は避けてください」

[検証方法を最初から指定する]
- 「配線のたびに、(1)ネットの純度、(2)異なるネット間の物理的な交差・近接
   (線分交差・パッド形状を考慮した距離)、(3)同一ネット内のホール間距離、
   の3点を検証してください」
- 「API経由の検証だけでなく、区切りの良いタイミングでエディタの正式DRCも
   実行し、結果を確認してください」

[EMC/信号品質の要件を最初に伝える]
- 「USB等の高速信号は差動ペアとして長さを揃え、直線的に配線してください」
- 「最終的にベタGND(銅箔ポア)とスティッチングビアを追加する予定です。
   部品配置・配線の段階から、そのための余白(特に基板端)を意識して設計してください」

[進め方の指示]
- 「重要な設計判断(部品の大幅な再配置、仕様変更など)以外は、逐一確認を
   求めずに進めてください。ただし各作業の区切りでは、変更点と検証結果を
   要約して報告してください」
- 「複数の修正が必要な場合は、可能な範囲でまとめて一括処理してください」


今回はここまで。