カッコイイおもちゃ買ってみたらすごすぎた
アイキャッチ画像に示すカッコイイおもちゃ(倒立振子のロボット)を買ったって話です。
倒れないよう自分でバランスをとって姿勢を維持したり、障害物を避けって走行したり、目標物を自動追尾したり。制御工学や電子技術の粋を集めたロボットを買ってみたところ、とっても興奮したので、その興奮をぜひとも皆様に届けたいというお話です。このおもちゃは日本では買えず(2022.11.30時点)、Amazon.comで購入しました。このおもちゃについて日本語で紹介されている記事が見当たらなかったので、簡単に紹介したいと思い立ったのであります。
その名はTumbller、その実力
開発・製造/販売元は、ELEGOOという会社です。そこのTumbller Self-Balancing Robot Car Kitというおもちゃを紹介します。12歳以上向けの組み立て式おもちゃです。必要な工具と、英語とはいえ、これ以上詳しく親切に表現できないくらい分かり易い説明書が付いており、誰でも20分くらいで組み立てられます。(後で知ったのですが組み立て方法を示した動画がYoutubeにあります。ELEGOO TUMBLLERで検索すればヒットします。)
USBケーブルで充電可能なバッテリーのスイッチを入れると、事前に動作デモの動画を見ていなかった私は衝撃を受けることになります。倒れた状態から車輪が回り始めクイックに姿勢を整えて、まるで一輪車を操る人が小刻みにペダルを踏んで前後にバランスを取るように動き始めるのです、LEDを点滅させながら。 バランスを取ろうしているところに指でつついて邪魔をしても倒れません。そうです。こいつは自分の姿勢を維持する制御を自動で行っているのです。 武器を搭載していたなら撃ってきそうなくらい意思や自律性の高さを伺わせます。その能力は、シロクマや大事な赤ワインをこぼさすにバランスしているこの動画から理解いただけると思います。どうでしょうか、子供の頃の旺盛な好奇心を思い出しませんか。
構成を知ればArduinoファンならザワザワするだろう
以下の電子部品や子基板を搭載した基板とバッテリー、そして機構部品からなります。
- Arduino NANO
- 2CHモータードライバーモジュール(TB6612FNG搭載)
- 3軸加速度センサーモジュール(MPU6050搭載)
- フルカラーシリアルLED(WS2812)
- Bluetooth シリアルトランスペアレント ワイヤレスモジュール iOS/Android対応(M80023搭載)
- 超音波センサ-モジュール(HC-SR04)
- 赤外線LED(IR204C-A)と赤外線受光センサー(IRM-56384)のペア x2
- DCモーター(GA37-520) x2個
- 配線
右端のArduino NANO基板から、真ん中の赤い2CHモータードライバーモジュール(TB6612FNG搭載)にPWM信号や制御信号がつながりモーターを制御します。左端に搭載されている基板は3軸加速度センサーモジュール(MPU6050搭載)でArduino NANOはI2C(SCLとSDAを使う)通信でセンサー情報を受け取ります。Arduino NANOの右下にあるのはBluetoothの通信モジュールでArduino NANOはUARTによりこのモジュールと通信を行います。基板上段にあるのは、超音波センサ-モジュール(HC-SR04)です。こちらもArduinoから制御します。
つまり、このおもちゃはArduinoアプリケーションなのです。 Arduinoをちょこっと触ってみたけど欲求不満のある人は、このおもちゃが欲しくなっているはずです。
これがこの価格(2022年11月時点)で買えるのです。 鼻息荒くなりますよね。
Order Summary
Item(s) Subtotal :$84.99
Shipping & Handling :$15.23
Total before tax :$100.22
動作モード
このおもちゃには、モード切替スイッチがあり、デフォルトはStandbyモードです。
モード切替スイッチを1回押すと動作モードが切り替わります。5回押すとデフォルトのStandbyモードに戻ります。いずれのモードも共通して自動バランス制御が動作しています。
Sgtandby Mode : Default
Auto-follow Mode(Forward)
Obstacle-Avoidance Mode
Auto-follow Mode(Backward)
Glowing Mode
Auto-follow Mode(Forward) :自動追跡モード(前進)となり、目の前(数cmから20cmの距離に目標物を置いてやるとそれを認識し、目標物を移動させると自動的に追いかけてきます。
Obstacle-Avoidance Mode:自動障害物回避モードとなり、超音波を発信して反射波を捉えることにより、数cmから50cm前にある障害物を認識してそれを回避するよう動作します。
Auto-follow Mode(Backward):自動追跡モード(後進)となります。これは、自動追跡モード(前進)の逆方向の動作となります。障害物が迫ってくると逃げるように後進してきます。
Glowing Mode:ライティングモードとなり、搭載しているLEDがランダムに点灯します。
AndroidアプリでBLE通信によりリモートコントロールできる
Google Storeにて、Androidアプリが提供されています。「ELEGOO BLE TOOL」と検索すると見つかります。名前が異なっているかもしれませんが、ELEGOOのおもちゃを制御するアプリは共通で、アイコンや説明を読めば使えそうかどうかわかりますのでダウンロードしてみましょう。おもちゃとはBlue Tooth Low Energy(BLE)で接続されます。接続の際の注意点としてはスマホなどのホスト端末の設定画面からペアリングするのでは無く、ELEGOOアプリの中からペアリングする点です。それ以外は特に悩むポイントはありません。
このリモートコントロール画面の左にある操作部を使って、TUMBLLERを車のラジコンのように動かすことができます。先述の本体部にあるモードを使ったモード切替は、このリモート画面からも可能です。
買い方
さて、このおもちゃですが、ELEGOO TUMBLLERで検索すると、エデュロボに商品紹介のページが出てきます。そこからメーカーの公式サイトに飛べますが売り切れになっています。(2022年11月30日時点) Amazon.co.jpではお目当ての製品は見つからずELEGOO製の他のおもちゃがヒットします。(2022年11月30日時点)
ELEGOO TUMBLLERレビューは見つかりますので過去には買えたのだと思われますが、現在はAmazon.co.jpで買えません。(2022年11月30日時点) 代わりにAmazon.comで検索したらヒットしたので購入しました。 1週間くらいで届きました。(ものすごい円安の時に買ってしまった。。。)
それだけではない、このおもちゃの魅力
なぜ、いい年をしてこのおもちゃを買ったのか。海外から輸入したのか。
このおもちゃには、このおもちゃの設計情報やソースコードがELEGGOのサイトに公開されているのです。
構成のパートでしめしたように、Arduinoで制御されており、ソースコードが公開されているため制御工学の知識があればソースコードを工学的に理解でき、プログラミングや回路の知識があれば機能を付け足すことも可能でしょう。そんなところに惹かれて買ってしまいました。
がんばって、コードを理解したいと思います。