ベランダに現る鳥たちがもたらすもの
4月から6月後半にかけて、美しい声の鳥がマンションのベランダにやってきます。飛来する姿が視界に入って気づく時がありますが、たいていはその特徴的な高音のさえずりが飛来を強く知らせます。
鳥を見て美しいと思ったり、鳥のさえずりを聞いて心地よい気分になったり。子供の頃は全くそんなことはありませんでしたが、年を重ねるごとに、森林浴や川岸の散歩でリラックスし、きれいな花を愛でる、動物の佇まいや昆虫の所作をじっと観察して没頭する、そんな楽しみに気づくことができるようになりました。 幸運なことです。
美しいさえずりの方向へ目をやれば、いつものヤツがベランダの柵の上で何かを探しています。
写真では分かりつらいですが、体は青色・お腹は茶色の鳥です。もう一枚(↓)は違う日の同じ鳥。かっこいい後ろ姿です。
続いては、先ほどとは異なる鳥です。全体が黒に近い灰色です。
部屋の中から網戸越しに撮影しました。よく見ると咥えているのは草ではなくムカデ的なやつです。
続いてこちら(↓)は、Google レンズによれば、「イソヒヨドリ(オス)」だと分かりました。
これですよ、時々ベランダに現れる美しい鳥は。実に美しい。ベランダでコーヒーを飲んでいたらこの鳥が飛来してきたので、そーっとカメラを取りに行って戻ったらまだいたので撮影に成功しました。
数日観察していると早朝に飛来が多いことがわかりました。さえずりを録音してみることにしました。
ヒトの生活圏では、周囲の空調設備や車の音が入るので鳥の鳴き声だけ録音するのは難しいですね。
レコーダー設備は以下のとおりです。
- TASCAM DR-07X
- WAV(PCM) 44.1KHz 16bit STERO 低域カットフィルタ(80Hz)で早朝に1時間30分くらい録音
- TASCAMの無料編集ツール(Hi-Res Editor)で、鳥のさえずりのところを抽出してエクスポート
- 投稿するにあたってデータ量を圧縮するため、MP3に変換
続いて、「イソヒヨドリ(メス)」です。Googleレンズによれば。オスに比べると地味です。
思ってたよりきれいに録音できたので、鳥の声以外にも「録音ネタ探し」ができそうです。冒頭にも書いたように、こんな低コストでハッピーな気持ちになれるなんて幸運なことですね。イソヒヨドリが持ってきたのはその美しい声だでけななく、自分にとって何が心地よいのか考えてみよという気付きもかもしれません。
ストレスが、不快、悩みの大半は人間が作り出した概念や行動・発言によるものに接しているときに起こります。ヒトの社会に属して生きている以上、それは致し方ないことではありますが、時々、人間の意思とは関係の無い(小さい)自然界・物質界に触れ、そこに没頭する時間を増やすことで、穏やかでハッピーな気持ちが優勢になるように思います。
著書「バカの壁」で有名な解剖学者の養老孟司先生が”プレジデント2024.3.1号”で「対物の時間が上機嫌を生む」として私たちに毎日気分が良くなる方法を説明されています。一部抜粋します。
「・・・昔は物と心を結ぶことが当たり前でした。昔の人は自然から大きな影響を受けながら暮らしていたからです。花や鳥を観察したり、風や月を楽しむ。それを”花鳥風月”と言いました。いまはそうした自然の美しい風景に触れる機会はゼロに近くなってしまいました。もっと物質世界に触れていれば人の評価などは気にならないはずです。 ・・・・仕事の中心が自然相手ではなく人間相手になってしまったために、自分だどう見られているか、嫌われないないか、人からの評価が気になってしまうのです。 ・・・・大事なのは気持ちが良いことです。あれこれ考えずに気分のいいことを大切にしてください。今の時代は”気分がいい””機嫌がいい”ことをバカにしがちですが、非常に重要です。」
小鳥ごときを見た話で何でそんな話に飛躍させるのかという声がありそうです。
改めて、イソヒヨドリの声に耳を傾けてみてくさい。 (目を閉じて。)
普段、気づいてないこと、着目していないことがたくさんあることに気づかせてくれます。