海外の航空会社のチケットをオンラインで買おうとしたけど、クレジットカード会社から拒否されて買えなかった(2024年1月1日)って話です。 正確にはその後買えたのですがバタバタがありました。

海外旅行したい
 クレジットカードの使用が拒否された背景の話からです。海外旅行がしたいのですがなんだか以前より値が張ります。具体的に何年頃と比べていくら高いことを確認したわけではありませんが航空会社のWebサイトで予約できそうな日のチケットの価格を見ると想定(希望ですね)より高いのです。Bloombergの記事(割高な空の旅、まだまだ続きそう-航空運賃が安くならない理由:2023年4月27日 21:54 JST)によれば、その感覚は正しいようで、実際の航空運賃が高い状態にあり、理由は次のとおりだそうです。

  • 運行可能な旅客機が不足:COVID-19流行による航空機需要減からの体制(人、設備)回復に時間と金が必要(投資や、従業員の給料アップ)
  • 割高でも旅行したいと考える人が多い。 :リベンジ旅行意欲
  • 原油高

なるほど。需給バランスが崩れている上に運営コスト増なのですね、日本人の場合、これらの理由に円安も加わります。

航空機チケットを買う。
より安価なチケットを求めてSky Scannerなどのサイトを覗けば、確かに安価なチケットが並びますが、どこかの空港を早朝出発する便であったり、ものすごくトランジット時間が長いとか深夜到着などお金以外の条件が自分の希望とは必ずしも合いません。旅行会社の提供するプランはそれに比べて体に優しい便だと思いますが、筆者が優先したいのは、変更が可能で希望の座席をリーズナブルに買えるエコノミー席があるかです。プレミアムエコノミー席が安価だと嬉しい。出発時間、トランジット時間、到着時間、希望する席、そしてコスト。 航空チケットを買うまでに確認すべきことはたくさんあって選ぶのに非常に時間がかかります。一見、スケジュールはOKで価格が安いと思っても、席指定料金を足していくと高額になっていくので予約寸前まで手続きを進めて価格を確認して、他社と比較する。これを延々繰り返さないといけません。数時間格闘して疲弊しているうちに、燃料サーチャージを徴収しないエアラインがあることに気づきました。(燃料サーチャージ、リストで検索すればいっぱい出てくるので常に最新情報を確認しましょう)産油国であるカタールのエアライン、カタール航空です。エアトリに掲載の「燃料サーチャージのご案内」によれば他のエアラインでは日本発ヨーロッパの国着の便で片道3~5万円@(2023年10月とか12月時点)の燃料サーチャージがかかるところ、カタール航空だけ徴収がありません。じゃぁ、そもそも航空運賃がその分最初から高いのかというとそうでもありません。エミレーツやエディハド相当かそれより少しだけ安いでしょうか。

ならばカタール航空のチケットを買おう
欧州便を調べます。出発時間、トランジット時間、到着時間が自分の条件をクリアし、便を変更可能なエコノミー席で、座席の有料指定(空いていれば)可能な便を確認します。アジア系エアラインよりは高いが他の中東系エアラインよりはやや安い、そんな価格帯でしょうか。がしかし、座席の有料指定を重ねていくと最初に受けるリーズナブルさが薄まっていきます。それでも某日本の航空会社の似たような条件の便よりは安いか。このままカタール航空の便を買えば、某日本の航空会社のマイルは貯まらないし、カードのステータスを有効に使うこともできない、それに勝手な偏見と語学力への不安さに基づくトラブル時対応のハードルも違いそう。それでも、これまで一度も利用したことのないカタール航空を使ってみよう、そう決断したのです。本来、日本の企業にキャッシュを落として日本経済や税収に貢献すべきなのに、ちょっと安いからとか、利用したことのないエアラインを試したいいう理由で他社に浮気をすることにしたのです。

認証は通るが、最終的にクレジットカード会社に使用を拒否される
浮気は成立しませんでした。入力するカード情報は正しく、次々にプロセスは進み、最終のVISAのパスワード認証も通るのですが、最後の最後にカード利用をカード会社から拒絶されます。カードの有効期限は切れておらず、支払いできなかった実績はありません。高額の買い物ですが支払い限度を十分に下回ります。3回トライしたのですが同じ結果でした。ちなみに、支払いに使おうとしたのは三井住友VISAのANAカードです。

クレジットカードが使えない理由あれこれ
クレジットカードがオンライン決済で使えない場合、以下の理由が考えられます。

  • カードの利用枠を越えて買い物をしようとしている
  • 支払日に引き落としができなかったため、カードの利用が制限されている
  • カードの有効期限が過ぎている
  • 入力したカード情報に誤りがある
  • 自身で制限(設定)している
  • 何かしらの理由でカード会社が利用を制限している

頻繁に使ってるカードであって、入力ミスはありません。現に入力したコードは受け付けられます。怪しいのは不正利用を疑われて制限かけられているというパターンですね。30年以上いろんなクレジットカードを使っていますがクレジットカードが不正に利用された経験は過去3回あります。解決に少しだけ手間はかかりましたが、いずれも金銭的損害は無しで、カード会社または取引先企業が補償してくれました。

で、どうしたか。
楽天のカード(こちらもVISA)を試したがやっぱり駄目で今度は先のとは違うメッセージが出たり、ブラウザが閉じられたり。何度もいろんな情報を入力させられてコレなので心折れそうです。

最初に使おうとしたカード会社のWebサイトで”カードが利用できない”で調べると、上述の理由のうち、本人が原因で使えない場合以外で困ってる場合は、カード会社に問い合わせるよう書かれている。ただし、平日の営業時間内で9時17時というやつ。それはそれで困る場合を想定して”カードが使えなかった事例”を届ける仕組みがあるのでこれを利用する。翌日中に調査結果を返すとありました。正月でも返信あるのかどうかわからず、入力しました。さて、早め早めに航空券を買いたいモードに買えないこの状況は精神衛生上よくありません。すでに心が折れているので、欲しいものを欲しいときに買うというバイアスが働き始めました。

なんと! ほぼ同一条件の便で、少しお高い某日本の航空会社の航空券を買いました。カタール航空では使用を拒否された同じクレジットカードを使って。その航空界会社のクレジットカードを日本で使おうとしているのだもの、拒否されるわけないですな。何の問題も無く決済されました。買おうとしたカタール航空のチケットより少し?高くついてるわけだけれども、マイルの積算とラウンジ利用、そしてトラブル時の対応への安心感の費用として良しとします。

で、カードを利用できなかった理由は
翌日1月2日に登録した電話番号に調査結果の用意ができたとのショートメッセージが届いたので、リンク先を見てみました。 不正利用検知ですねぇ。海外のAmazonとか中国のECサイトとか海外サイトは頻繁に利用していますが、金額が大きいのが不正利用だと疑われた理由でしょうか。普段の利用パターンと異なるとして第三者利用の可能性を検知されたようです。 同僚にも似た経験をした人がいました。

こういった監視システムと補償制度があるから普段安心してカードを使うことができているわけですが、渡航先から緊急で帰国する場面でカード利用制限されたらどうしてくれようかとなりそうです。電話対応してくれるかどうかですね。

不正利用された経験
このクレジットカードによる監視ですが、今回は不便に感じましたが過去に複数回助けられています。いずれも今回とは別の会社です。

  • 勤務中にクレジットカード会社から「今、秋葉原でノートPCを18台購入しようとされましたか?(しましたか?だったかも)」「数日後、警察の捜査にご協力いただくことは可能ですか?」という電話を受けたことがあります。当時岐阜県で働いてて、普段の買い物パターンや行動範囲から外れたカード利用だったので不正な利用だと検知したのでしょう。もちろん身に覚えの無い話でした。当然請求されず。カードの再発行(無料)は必要になったので届くまでの間その会社のクレジットカードは使えませんでしたが。
  • 身に覚えの無い、アップルストアでの買い物による請求がありました。クレジットカード会社からの請求書で気づいたのですが、会社貸与のiPhoneのためのapple-IDと個人のクレジットカード情報が盗まれて、アップルストアで買い物がなされていました。このときのクレジットカード会社は何も対応してくれませんでしたが、アップルが違いました。困りごとをapple-IDとともに同社のWebサイトに登録すると15分以内に電話するという表示がWeb上でなされ、5分後に電話がありました。非常に丁寧な応対で状況を説明すると即返金の対応をしてもらえました。サービス部門というとコストドライバーだと考える企業が少なくないと思います(勝手な決めつけです)が、アップルはこういった顧客の体験はすべていかに同社の魅力を伝える大切な場として考え、投資していることが伺え驚いたのを覚えています。なるほど、最初はブランドに飛びついただけの人も、このような体験を通じてファンになり次のアップル製品を買うのですね。個人ではアップル製品を一切持ってないのですが、感動しました。 で、件のクレジットカード会社のカードは速攻で解約しました。年会費無料だからかサポートが寂しかったですなぁ。

次のこのような事態に備え、どう準備しておくべきか
PayPalのような決済代行会社のシステムを使うのが良いでしょうか。いや、不正な支払いを避けたいカード会社からすれば同じ事でしょう。監視の緩いカード会社が良いか。良くないですね。上述のように監視してくれてこそクレジットカードは安心して使えます。一方、使いたいときに使えない、その使えない時間が長いのは困ります。よって、できることは次のようなことでしょうか。コレ!といった手では無いです。

  • カード利用できないときに電話対応してもらえる。できれば24時間。国内海外問わず。それに近い体制。
  • 会費無料より、それなりに会費が必要なクレジットカード及びグレードにする。
  • 問い合わせ先を電話に登録しておく。紙に印刷して持っておく。

どんな情報を監視しているのかわかりませんが、海外に行くときはその費用は旅先で使用予定のカードで決済しておくことで、付帯の傷害保険適用の条件が成立する上、渡航先でのカード利用も自然な行動として認識されるはずなので、冒頭のような「不正利用の可能性を検知なんてことが避けられるのでは」と勝手に期待してしまいます。 あるいはカード会社のサービスとして事前に高額な決済をする予定のウェブサイトや実店舗、国や地域を登録できるホワイトリスト制度なんかあると良いなーと思いました。思いつきです。

これからも、懲りずにクレジットカードを使いますよ。