物はいつかは壊れるのですが、壊れるとものすごく困る類いってありますよね。ある日トイレの水が流せなくなって困った。自分で部品手に入れて直してみたって話です。当初、専門業者に頼むつもりだったのだけれども、忘れたのか見積もりを待てども待てども寄越さないのであきらめて自分でやってみたら簡単だったって話です。

トイレタンクの排水のためのレバーが空回り
公衆トイレで紙が無いことは想定しますが、水洗トイレのタンクが正常に動かないことを普段考えませんよね。トイレタンク右のレバーを回せば水が流れる。当然のことです。が、しかしこの日は普段と違って全く抵抗がなく、空回りする。水は流れない。よそさんのお家にお邪魔している時じゃなくて良かった。公衆トイレで外に列ができている時じゃ無くて良かった。そんなことが脳裏をよぎってはいないですが、なんとかしなければ!とトイレタンク上面の重いふたを開けます。内側のふたも開けます。

あぁ、なるほどレバーを回せば、下に垂れる玉鎖が上に引っ張られて排水弁を上向きに開けて、水が流れる。やがて排水弁が閉じて水が止まる。このレバーからの玉鎖は、「大」用の排水弁と「小」用の排水弁に繋がるそれぞれ1本ずつ、合計2本の玉鎖があるのですが、一つの(=「大」でした)の方の玉鎖が切れたのがレバーを回しても水が流れない原因でした。幸い、他方の玉鎖は切れてないのでレバーを逆(つまり、「小」)側に回せば水が流れるのでなんとかピンチを脱しました。このトイレタンクは設置から12年か13年目なので寿命ですかね。何かしらの鎖で延長すれば切れた鎖も再び使えそうですが、今度は違うところから切れそうです。それに、いずれ他方の玉鎖も切れるでしょう。そうすると今度こそ水を流すのに、毎回トイレタンクの中を開けて、どこかに引っかけた短い玉鎖を引っ張らねばなりません。これは修理しないといけません。

部品を入手できれば自分で修理できるのでは?
トイレタンクにはメーカー名と型番が記されています。メーカーのホームページをあたれば修理用部品を特定できそうです。しかし、たまたまか、部品型名を特定できませんでした。イメージしているのはあるけど、自宅トイレの型に合ったパーツであることが確認できない。該当品は掲載されていませんでした。あまり売れてない部品なのか。そして掲載されていない部品については電話しろとある。
 電話してみました。トイレタンクの型名を伝え、「排水弁に繋がる玉鎖が切れているので、交換用部品の型番を教えてください。」と伝えると、「交換キットの品番をお教えできるのですが、これは専門の業者が作業するのを前提としております。」との回答。「わかりました。プロに修理を依頼します。部品代を把握しておきたいので品名と御社での販売価格を教えてください。」と伝えると、困った感じではあったけれども、教えてもらえました。TOTO トイレタンク(SH391BA)の排水弁キット:HH07038RZ
その品名をGoogleで検索すると、ネットで買えそうなショップがいくつかありました。

二次被害を避けるため、素人判断や作業をせずにプロを呼んでみるか
さて、ネットで部品は買えそうですが、素人の判断と作業で余計に壊して悪化するのは困ります。
そこでマンションの管理会社のこの手の相談に乗ったり業者を紹介するサービスに電話をしてみることにしました。症状を伝え相談できる業者の紹介をお願いしたところ、当日中に業者が様子を見に来てくれ、30分以内で終わる作業なら無料だとか。業者手持ちの部品で直ればその実費だけで良いらしい。
好青年がやって来て見てくれました。どうやら水道工事だけでなはく鍵や掃除・不要品引き取り、他何でもの住居関連のレスキュー会社のようでした。「タンク底に切れた玉鎖が沈んでいる。これが排水弁に挟まると、水が漏れっぱなしになるので。」と言って玉鎖の切れ端を回収してくれた。そして「小」側は問題なく動くことを確認して作業を終えた。
故障箇所はこちらの見立てどおり。部品は手配しないと社にも無いとのことで作業の依頼をする前提で見積もりをお願いした。ここからが営業の本領だが、他にも消耗品をいくつか指摘していっしょに交換しておけばどうかとセールスを受けた。提案箇所の半数程度について同意し、その見積もりもお願いした。見積書は郵送されるらしい。

待てども見積もりは来ない
1週間立っても2週間経っても3週間経っても見積書が届きません。これで実績を作ればこの先住居関連で何かあったら発注してくれたであろう顧客を、彼や彼の会社は逃すことになります。本来こういった最初のサービスを格安で行って認知させ、ついでの仕事の勝ち取りや、リピーターになること、他の人への紹介がビジネスチャンスを広げる仕組みのはずです。がしかし、今回のことで「ここには発注しない」ことを確定してしまいました。

えーい、発注してしまえ
楽天に出店する設備会社(設備プラザ)に注文をしました。年末年始を挟んだの1週間以上かかりましたがHH07038RZが届きました。実物見ると、動きを想像できますね。玉鎖が引っ張られて排水弁が開くのですね。そしてゆっくり閉じる。単純ですが自分で発明しろと言われたらできません。人類の英知を感じる一品です。

交換してみよう
壊れたのはこの排水弁キットのうち、「小」方向レバーに繋がる玉鎖だけですが、他の部品もいつ壊れるかわからないので、全取っ替えします。取扱説明書もそのつもりで書かれています。手順はざっくりこのとおりです。

  • 水道からの水の供給を止める :止水弁(タンク横の水道管のネジ)を右にいっぱい回す
  • トイレタンク内の水を排出する :レバーを回す。(もしくは排水弁の玉鎖を引っ張る)
  • 交換前の排水弁キットを取り外し、新しい排水弁キットを取り付ける
  • 水が無い状態で、レバー操作で排出弁が「大」「小」ともに動作することを確認する
  • 水道からの水の供給を行う :止水弁(タンク横の水道管のネジ)を左に回す
  • レバー操作で排出弁が「大」「小」ともに動作することを確認する(=つまり、水が流れる)

取り扱い説明書があるので作業自体は簡単なのですが、唯一難所といえばここでしょうか。排水弁と外すのと取り付けるのに少々思いっきりが必要なところです。トイレタンクの底に台座があるのですが、台座のパイプ上のところから排水弁のフックを外すのと、フックを取り付けるのに、力が必要です。

何度もテストして喜ぶ
じゃんじゃん排水、貯水してDIY成功を祝います。 専門業者の頼まずに済んだので工賃は浮いたし勉強になりました。

世の中にはいっぱい動画があるやん
作業後に気づいたのですがYoutubeにいっぱいトイレタンク修理の動画がありましたねぇ。 まぁ、今回自分でやってみたことで動作原理が理解できしたし、トイレタンクのどこかが不調になったら次回も自分でやろうかなと思いました。少しのことですが知ってる/知ってない、やったことある/無い ことへの大きな心理の違い、1と0の大きな違いですね。(素人作業でひどい目に遭うかもしれないので調子に乗ってはいけません。)

これがきっかけでトイレに関するサイトをじっくり見てしまいました。ここ(DIY CLip!)なんかは分かりやすい解説でとても気に入りました。