2022年はアメリカの強烈な物価高に加えて対ドルの歴史的な円安により、庶民にとってアメリカ本土やハワイ等への旅行はずいぶんとハードルが上がりました。せっかく、9月7日には日本政府の防疫対策が緩和されたにもかかわらずです。本記事はそんな時期にハワイ・オアフ島を訪れた時の観光以外の備忘録です。“せっかくの海外旅行なのだからホテルは高級な所で最高のサービスじゃないと嫌だ”、“ホテルは5つ星じゃないと”、“移動もスマートに”という人には役に立たないお金にまつわる情報が中心です。一方、ゴリゴリに切り詰めた節約情報でもありません。多少倹約しよう、一週間以上外食が続くとお腹もしんどいし懐痛いよね、暮らしをちょっとだけ体験してみようという人向けの話です。(2022年10月5日に投稿した記事です)

空港からホテルへ
一番安い交通手段は、後述するハワイ・オアフ島の路線バスThe Busだと思います。一律3ドルで乗れます。しかしながら、地元民の生活の足である路線バスは、巨大なスーツケースを乗せるスペースは無く、お年寄りや身体にハンデのある方を優先する作りであり、そして混み合います。なので、巨大な荷物を持った旅行者がホテルと空港間の移動にこの路線バスを利用するのは避けるべきでしょう。次に安いのは乗り合いのシャトルバスです。Honolulu Airport ShuttleとかH.I.Sとか。 空港からホテルが密集するワイキキ界隈まで片道20ドル未満で移動が可能です。ただし、いろんなホテルに寄りながらなのでいつ到着するかわかりません。そのことを理解した上で、利用しましょう。次に安いのはライドシェアサービスでしょう。新型コロナが流行る前にアメリカ本土の出張でこのUberの手軽さに味をしめていたので今回はライドシェアを利用することにしました。UberとLyftの他ハワイローカルのHoloHolo(ホロホロ)があります。ホロホロはUberより安く、かつ、どの時間帯でも価格が一定というのが売りです。ホロホロのアプリを入れてトライしたのですが、ドライバーが顧客のジャーニーをチェックして、行き先とか移動の時間帯が気に入らないとパスして、なかなか乗せてくれるドライバーが見つかりませんでした。近所に居る登録ドライバー6人に次々と声がかかるものの結局応じてくれる人に到達できず、ホロホロをやめてUberにしました。

Holoholo アプリの画面の例

ホロホロをたまたま利用できませんでしたが複数ライドシェアアプリを入れておいて都合の良いのを利用すれば良いでしょう。時間帯によるのですが今回の宇Uberは往路も復路もチップ(20%を選択)して合計28ドルくらいでした。タクシーだと40ドルくらいになると思います。で、ダニエル・K・イノウエ国際空港でライドシェアに乗車するときの注意点ですが、乗り場が決まっています。飛行機で到着したときはLevel1にいます。車に乗るために先ずはLevel2に上がりましょう。国際空港のロビー2かロビー5を出た道路の中央に「RIDE SHARE」という青い看板が立った中州のような場所があるので横断歩道を渡りそこで待機しましょう。屋根が無いので屋根のあるところで契約・待機し、車が近づいてきたら乗り場へ移動すれば良いです。ホテルの多いエリアには25分か30分くらいで到着します。

RIDE SHARE エリアに渡ろう 

キッチン付きホテルにしよう
行きたいステーキハウスとシーフード料理屋さんでの外食以外は、できるだけホテルでサンドイッチを作ったり、肉を焼いたりと簡単な料理をしようと計画していたので、キッチン付きのホテルを選びました。キッチン設備や調理器具はどんなのがあるのかをホテルに問い合わせして確認していたのですが、文字情報に過ぎず、ちゃんとしたお皿やグラスがあるのか、調理器具にはどんなのがあるのか事前に分かっていませんでした。この2年でテイクアウトの機会が増え紙皿の食事に慣れてきたとはいえ、お皿やグラスで料理の映え方って変わりますよね。だからといって持って行くには重いし、割れそうだし。が、心配無用でした。ホテルから頼まれた訳ではありませんが、今回宿泊したホテル ルアナ・ワイキキ・ホテル&スイーツ(泊まったのは、“スタジオ簡易キッチン付きパーシャルオーシャンビュー”部屋)のキッチン設備を紹介しましょう。

Luana Waikiki Hotel & Suites
ミキサー、電子レンジ、トースター、オーブントースター、ナイフ類
お皿も洗えるよ。スポンジと洗剤もあります。
まな板
マグカップは4個あります(筆者が2個洗浄中)
電熱器2トップ IHでもガスでも無いのでそこはちょっと残念だけど肉焼ける
グラスやボウルは4個ずつあります(足らずは筆者が洗浄中)

ご覧の通り、何でもそろっています。 無いものを強いて言うなら、調味料とラップとアルミホイルくらいですかね。
電子レンジは換気扇機能も担っています。
トースターとオーブントースターもあります。スーパーマーケットで気に入ったパンを買って焼いてチーズやハム、スクランブルエッグを挟めば朝食代を節約できますし、旅先の食材を堪能できます。
ここのコーヒーメーカーも紹介しましょう。Cuisinaert DCC3200です。

Cuisinaert DCC3200


洗浄したいとき:水を横のタンクに300ミリリットルくらい入れて、「Clean」ボタンを押せば機器内を蒸気で洗浄してくれます。
コーヒー(4杯以下)を作りたいとき:粉と水をセットして、右端の「1-4」ボタンを押して、次に「Brew/Off」ボタンを押せば美味しいドリップコーヒーを作ってくれます。ハワイはコーヒーの有名どころなので、スーパーマーケットで気に入ったのを買ってきて毎日飲みましょう。
さて、ハワイのスーパーマーケットはワインが豊富です。カリフォルニアワインが安いです。
部屋で肉を焼き、ワインを飲み、量り売りで買った総菜を食べればリーズナブルに旅先のディナーを楽しめます。滞在中外食も良いですが、部屋飲みも良いですよ。

なにせ、部屋代払っているのですから部屋も楽しまないと。ベランダからの眺めはこちらです。海が見えるのはちょっとだけってことで、パーシャルオーシャンビュー扱いです。ちなみに左手の大きなホテルはTRUMPさんのホテルです。立派です。周辺ホテルよりも高いですよ。(価格が)

ベランダからの眺め(12F)

洗濯しよう

ついでに洗濯機の使い方を紹介します。 25セントを大量に使います。他のホテルの洗濯機も同じのようです。両替機があるので1ドル札があれば25セントは作れます。財布にいっぱい25セントがあるなら使うチャンスです。

150と表示されているのは、1.5ドル必要ってことです。コイン投入口から25セント硬貨を入れていくとこの数字が減り0になるとスタートボタンを押すことが可能になります。スタートボタンを押すとWASHのLEDが点灯して洗濯がスタートします。乾燥機もあります。洗剤は売っていますが無駄に高いので日本から旅行用の小パックを持って行きましょう。洗濯時間は30分です。まぁまぁ利用者がいるので、洗濯物を放り出されないよう終わる寸前に洗濯機の前に戻ってきましょう。トラブルは未然に防ごう!

ルアナ・ワイキキ・ホテル&スイーツの良いところ

  • ワイキキビーチから徒歩15分くらい西に位置し、静か。(ワイキキ周辺は夜もやかましい)
  • ワイキキビーチよりも近くにあるフォートデロシービーチは、人が少なくてのんびりできる。これ大切。
  • ホテルの1Fにあるカフェ(FISH&HOOK)の食事(7時から14時OPEN)はとてもおいしい。一泊一室に付き10ドルのクーポンがもらえるのでそれをこのカフェでの食事の支払いに使うことができる。(*1)
  • ビーチタオルの無料貸し出しがある。(*1)
  • ホテル内のフィットネスジムやプール(海水)やビーチを無料で利用できる。(*1)
  • バス停もABCマートも近い。
  • 月水金は16時―17時の間、ワインが無料で振る舞われる。(*1) 新しい友達とワインが欲しい人には良いチャンス。
  • ホテル従業員みんながとてもフレンドリー。

*1:リゾートフィーの対価サービスですね。

注意点:ハウスキーピングやタオル類の交換は3日か4日に一回。ただし、リクエストすればいつでも対応してくれます。つまりリクエスト方式です。
ちょっと設備は古いけど、機能的で問題なしです。

HoloカードでThe Busを乗りまくろう
日本からダニエル・K・イノウエ国際空港に到着するのは朝9時過ぎなので、空港からホテルへ直行してもチェックインして部屋に入れず、荷物を預けてホテル周辺をうろうろ散歩することになると思います。(運良く、部屋のハウスキーピングが終わっていれば10時過ぎにでも入れます。)その散歩がてらにHoloカードを入手してはいかがでしょうか。HoloカードはThe Busに乗るためのプリチャージのカードです。ABCマートで購入できるので、HoloカードのWEBで、Holoカードの購入が可能なABCマートを調べておきましょう。ABCマートで「Holoカードを買いたいです」と言えば、「1day?2day?」と聞かれるので「1day」と言っておきます。カード代2ドルと一日の請求上限7.5ドルの合計:9.5ドルが請求されます。税金は取られませんが支払いは現金のみですので事前に現金を用意しましょう。「マネージャーが発行するからあっちのレジに行って」と言われるのでレシートを持って指定レジに移動し、レシートを見せます。そうすると1day分プリチャージされたHoloカードを受け取ることができます。

Holoカード Webページでログインしたときの画面 チャージ額が分かる
利用履歴


The Busは、どこへ行くにも一律に3ドルで乗ることができ、現金かHoloカードで乗車時にドライバー横の機器で支払いを行います。Holoカードがあれば、一日に何回乗車しても7.5ドルを超えた請求はされません。HoloカードのWEBでアカウントを作成し、カード番号との紐付けを行い、チャージのためのクレジットカードを登録しておきます。事前に7.5ドル以上チャージしておけば、一日乗り放題です。降車してから次のバスに乗るまでの時間が2.5時間以内であれば乗り継ぎと見なされて3ドル差し引かれません。なので、たとえばスーパーマーケットにThe Busに乗って行き、1時間程度の買い物をして帰ってくると3ドル×2=6ドルではなく、往路の3ドルのみ差し引かれることになります。同じ日にあちこちバスで出かけたとしても、合計が7.5ドルを超えては請求されません。The Busはオアフ島の至る所に路線が張り巡らされており、Holoカードを活用することで町中を観察しつつお得に廻れるのではないでしょうか。
利用履歴やチャージ金額をWEBサイトで確認することもできます。チャージ不足だと乗車時に端末からエラー音が鳴って「後でチャージするように」とドライバーに注意されることになるので、出かける前にチャージ金額を確認し、不足していればチャージしましょう。

さて、乗り方ですが、Google Mapで行き先を検索し、移動手段といてバスを選択すると、最寄りのバス停と行き先までのルートが複数表示されますので選択します。 バス停で該当する路線のバスを待ち乗車します。降りるときは、STOPボタンがあればそれを押して停車をリクエストします。STOPボタンが無いバスであれば窓にあるワイヤーを引っ張ることで停車をリクエストすることができます。リクエストが通ると、前方のインジケーターにSTOP REQUESTEDと表示され、その旨アナウンスが流れます。ワイヤーを引っ張る以外は日本のバスと同じですね。

こんな時間にバス乗らないですね。検索サンプルです。

バスの中です。 前方見える端末がHoloカードをタッチするところです。

ご覧いただけるでしょうか。STOPボタンの代わりに右の窓の前にぶら下がるワイヤーを引くのです。

税金とか
物価高と為替レート同様に、懐を痛めるのがこの税金です。
ハワイ・オアフ島でホテルに宿泊すると次のような税金がかかります。
・General Excise Tax オアフ島の一般物品税:4.712%
・Transient Accommodations Tax ハワイ州のホテルやコンドミニアムの宿泊税:10.25%
・Country TA Tax:オアフ島の宿泊税:3%
合計:17.962%にもなります。
さらに、リゾートフィーなるものが加わります。これはホテル系列によって言い方が異なるのですが、一泊一室あたり10~30ドル請求されますのでなかなかの負担になりますよね。 (リゾートフィーを請求しないホテルもありますがハワイでは少数派です。)これにはWi-Fi接続代とかコーヒー代とかフィットネスジム利用代とか新聞代とかロビーにある水の料金とかが含まれているのよという説明です。
Booking.comとかExpediaとかで宿泊費を調べる際は、これらを踏まえると総額いくらになるのかを気にしながら予算を計画しましょう。

チップ
たいてい、15%、18%、20%、25%、30%くらいの選択肢が用意されています。地元の方によれば18%が標準だとか。 気が弱いので気を悪くされるのを恐れて20%、希に25%を選んでいました。納得がいかないのはテイクアウト店でも要求されるケースや、これからサービスを受ける(つまり前払い)場合にチップ額を決めなければならないことです。変な感じしますよね。サービスを受けた後にチップ額を決める店のほうが明らかにサービスも愛想も良いです。

物価
とても高く感じます。1ドル100円だとしても日本の2.5倍、為替レート144円なんてときには3倍くらいになるという心構えが必要です。1.5リットルの水が3ドル以上します。ただし、ハワイで取水された製品であれば1.4ドルくらいです。ABCマートか近所のスーパーマーケットでハワイブランドの水を購入して水筒に入れて日々の水分補給に用います。(山の中のお店で「おーいお茶(500ミリリットル)」は4ドル、町中のお店で「UCC缶コーヒーブラック(275ミリリットル」は2.69ドルでした。移動先で飲み物を買うのは控えましょう。
ビールは地元マウイブリューイングのものであれば、330ミリリットルで2.69~2.99ドル。6缶まとめて13ドルくらいです。生ビール(1Pint)が7から10ドルくらい。幅があるのはハッピーアワーかどうか。それから地元のビールであるか、あるいは、輸入ビールかどうか。
ちょっと大きめのサンドイッチが5~7ドル。 すべてが日本より高いというわけではなく、加工していない肉や魚であれば(為替レートが110円くらいなら)日本と同じか、安いくらいの価格です。卵は高い。いや、日本の卵が安すぎですね。


有名なPOKE丼(マグロなど魚の切り身の漬け丼ですね)は、17~19ドルくらいします。ABCマートで「丼以外」つまりPOKE部分単体を売っているのですが10ドルします。なかなかの値付けですよねー。
チップ&フィッシュが10ドルくらい。
ついでにマクドナルドの情報も添えましょう。
ビッグマック+ポテト+ダイエットコークのセット :9.29ドル+ハワイの消費税=9.73ドル
日本では、ビックマックバリューセットに該当しますが、700円から800円くらいですよね。そうすると物価の高いハワイにしては日本との価格差が少ない方かなと思います。

人件費の例
ちなみにハワイのマクドナルドの店員の時給は以下のとおりでした。まかない付きです。
店員:13.5ドル、マネージャー:16.5ドル
これはハワイ州の最低賃金10.10ドル(2022年10月からは12ドル、2028年までに18ドルまで段階的に引き上げられる)より十分高く良心的な設定ですね。最低賃金が上がっていけばモノやサービスの値段は上がっていきますね。

楽しいスーパーマーケット巡り
海外旅行での楽しみの一つにスーパーマーケットを挙げる人は多いのではないでしょうか。複数巡らなくても1つのスーパーマーケットだけでも、売っているモノやディスプレイ方法なんかは見ていてとても楽しいですよね。日本のスーパーマーケットに比べると、肉類や魚類、そして野菜類の種類の多さに目がいきますよね。お菓子やチョコレートも数多く安価に置いてあるのでお土産用途としてもスーパーマーケットは使えます。そんな便利で楽しいスーパーマーケットですが、オアフ島の中心には、たくさんの種類のスーパーマーケットがあるのでこれも観光のオプションとしておすすめです。欧米のスーパーマーケットに行くとそれぞれのブランドのエコバッグがあってお土産によく買います。

ホールフーズマーケットクイーン
フードランド
セーフウェイ
フードパントリー
ドンキホーテ

今回行ってみたのはこれらのスーパーマーケットで、ホテル(ルアナ ワイキキ ホテル&スイーツ)から徒歩とバスで30分くらいで到達できます。(フードパントリーは徒歩のみで10分くらい)一番安いのはドンキホーテかな。(肉や野菜はドンキホーテ近くの韓国系スーパーマーケットのほうがさらに安いらしいですが行っていません。未確認です。)
ホールフーズマーケットクイーンは、ワインの種類がすごいですねぇ。滞在中の自分用と知人へのお土産用に、ここでカリフォルニアのワイン(赤)を買ってしまいました。けっこう安いんですよねぇ。 もちろん、ハワイ地元のワインも置いてあります。 

ホールフーズブランドのエコバッグが、”自称イケてるママさん”(笑)らに人気とのことですが良いなと思ったデザインは20ドル以上もするので買うのを止めました。こんな高い買い物は”自称イケてるママさん”らに任せたいと思います。


パンや卵、チーズ、バター、肉を買い求め、量り売りのサラダやPOKE、総菜類を好きなだけ買ってバスで帰ります。なので、保冷機能付きにエコバッグと保冷剤は持って行きましょう。保冷剤はそんなにかさばるものではないので日本から持って行きホテルの冷凍庫で凍らせて使っていました。
滞在中、スーパーマーケット巡りを楽しみつつ“暮らし”をちょっとだけ体験しているつもりだったのですが、現地の人によれば、コストコに車で行きドカンと買い物するのが効率も良く、かつ、お安いんだとか。確かにそうでしょうねぇ。

卵やバターは食べきれなかったので、持参した保冷剤に来るんで持って帰りました。(帰宅までドアtoドアで12時間以上かかるので保冷剤は気休めですが)ハワイ滞在は僅か9泊でしたが、帰宅後にそのハワイでの生活の余韻を楽しみつつ、ハワイで買った卵とバターを美味しくいただきました。

はい。観光情報の全く無いハワイガイドでした。
毎回肉を焼くまでしなくても、現地の食材を使ったサンドイッチ作りは海外旅行でのルーチンにしようかなと思います。