Windows3.1 や95の時代に人気のあったシミュレーションソフトウェアの代表格に、TowerやAQUAZONEがあります。懐かしく感じる方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。本稿はWindows11でTowerをやってます!という記事です。私はゲームが深刻なレベルでへたくそであるため子供の頃から今までゲームにハマる、上達するような経験がありません。それ故すぐやめてしまいます。しかし、The Towerについては没頭してシミュレーションの進捗具合を眺めていた記憶があるのです。なぜなんでしょうか。(下手は下手ですが)手元にあるTowerのインストーラーはWindows3.1時代のTower、しかもFD(フロッピーディスク)が媒体という代物ですが、これをWindows11で動かす手順を紹介します。

The Towerとは
Wikipediaより引用します。
『The Tower』(ザ・タワー)は、高層ビル経営シミュレーションゲーム(ミニスケープ)。制作はOPeNBooK。プレイヤーはビルの経営者となり、様々なテナントを設置してビルを拡大させていく。人口の増加などで認定されるグレード(星の数)を上げていき、最終的には最上級の称号である「THE Tower」を目指す事が目的となる。アメリカ合衆国では『シムシティシリーズ』などを手がけるマクシス社より、『シムタワー』(SimTower)として発売された。1995年にアメリカの全米ソフトウェア・パブリッシャーズ協会よりCodies賞を受賞し、「ベストシミュレーション・オブ・ザ・イヤー」に選出された。

基本ルール
これもWikipediaより引用しますが、ビルのオーナーとなり、いかに住人やテナント、利用客のストレスを押さえてビルとしての売り上げを伸ばしていくかをシミュレーションするゲームです。改築増築が可能です。エレベータ待ちの客がストレスを抱えている様子を見て、こちらもストレスを感じながら打ち手を考えるというストレスを楽しむゲームなのです。

  • ビル内にテナントを建設すると、利用客(住人と呼ばれる)がやってきて目的のテナントを目指し移動する。住人は移動時にかかるストレス等によって利用テナントへ評価を下し、評価が良ければそのテナントの利用客が増え、評価が悪い場合は利用客が減少する。
  • ビル内の移動手段には階段、エスカレーター、エレベーターがあり、それぞれ利用する住人に与えるストレスが異なる。移動設備の効率的な配置がゲームを進めるためのポイントとなる。
  • エレベーターによる移動では、待ち時間が増えるにつれてストレスも増加する。表示上は住人のシルエットが黒からピンク、赤へと変化し、現在のストレス度合いを示す。
  • 騒音の発生源が近隣にある場合、そのテナントの評価に悪影響を及ぼす。
  • 建設資金はゲーム開始時に一定の額が与えられ、その後はテナントの売り上げや賃料で賄う。
  • 特定の条件を満たすとグレード(星)が上がり、より多くの種類のテナントを建設できるようになる。5つ星になると「ファイナルアイテム」が登場し、これを建設して特定の条件を満たすと最高グレードである「TOWER」の称号を得られる。
  • ビル内では時として火災やテロリストによる脅迫などのイベントが発生し、対処する必要が生じる。

このゲームの楽しさは、こちらのブログが伝えてくれています。(想い出ゲームレビュー「The Tower」

The Towerを体験するには
The Towerを体験するにはいくつか方法があるようです。

  • ゲームパッケージに書いてある対応OSが動作するPCを手に入れて、ゲームをインストールして動かす
  • PlayStation や Nintendo DSに移植されたThe Towerを手に入れる(中古ですが手に入りそうですね)
  • よく似たゲーム「Project Highrise」をやる
  • エミュレータを使ってWindows10やWindows11で動かす

今回紹介するのは一番下のやつですね。

エミュレータを使ってWindows10やWindows11で動かす
先ずインストールからやらないといけないので、ゲームの入ったメディアをドライブできるハードウェアが必要です。今回手元にあるのはFD2枚のインストーラと、CD1枚に入ったアップデーターです。

幸い、FDドライブ(USB)もCDドライブ(USB)もあるので、ゲームソフトデータの読み取りはできそうです。エミュレータとは本来の仕様とは異なる動作環境で擬似的に実行することを実現するソフトウェアで、今回のケースではコンピューターが扱う情報の最小単位が16bitの時代のソフトウェアを64bit環境のOS上で動作させるエミュレーションを担ってもらうことで古いゲームを新しいOS上で動かします。

使用したエミュレータ
こちらの記事(大昔の16ビットソフトをWin10(64ビット)で使う)を参考に「OTVDM」というエミュレータをダウンロードして使いました。試したのはotvdm-v0.8.1です。ダウンロードして解凍し「otvdmw.exe」を実行するとエミュレーションしたい実行ファイルを聞かれるので、The Towerの実行ファイルを指定すれば良いということです。

困った
先ずインストールしないといけません。FDドライブ(USB)があるので、インストーラのフロッピーディスクを読み込ませます。確かにエクスプローラ上ではFDの中身を参照できます。読み取りできそうです。当然インストーラにある実行ファイル(settup.exe)も16bitソフトウェアなので、エミュレータの力を借りて実行させる必要があります。実行しました。できました。がしかし、「DISK2に入れ替えてください」に対してFDドライブにDISK2を入れてもそれをインストーラが認識しないのです。FDドライブの中身がDISK1からDISK2に変わったことを認識しないのです。そのため、PC上にDISK1とDISK2のフォルダを作成してその中にそれぞれコピーを作りました。これならフォルダを指定すれば良いのでどうでしょう。いや、駄目でした。続いて、一つのフォルダにマージして放り込むことにしました。いくつか同じファイルがあったようで警告が出ましたが同じファイルはコピーさせずにマージしました。これにより、インストールはDISK2への切り替えを要求されることな完了できました。(以下の写真は一つのフォルダにDISK1と2の中身をマージした後の中を示しています。)

インストール後と実行
C:Towerにインストールしました。エミュレータのフォルダもこの中に放り込みました。こんな感じです。

Emulatorフォルダ内の「otvdmw.exe」を実行して、「TOWER.exe」を指定します。

少し時間がかかりますが、成功するとTowerの画面が現れます。

このあといくつか警告が出るのですが無視して「はい」を押してOKです。無事こんな感じでビルの運営シミュレーションを楽しむことができます。

ちゃんとデータを保存することもできましたよ。使い方はテキトーに触ってれば分かってきます。20年以上前にやってたのですねぇ。懐かしい。